副業の収入に対して、いくら税金を払う必要があるのか、、、?
副業がようやく軌道に乗り出した人にとって、初めての確定申告は悩みの種。
実は副業の種類によって、所得税の計算方法が変わります。
副業の種類別の税金額を計算する方法や、勤めている会社に副業がバレない方法など、副業と税金に関する気になる情報をまとめています。
副業と税金についてのガイドブックとしてこの記事をご活用ください。
副業と税金のルール
副業での収益が20万円に満たない場合は、確定申告が不要です。
一方で申告が必要にもかかわらず、確定申告を怠った場合は「無申告加算税」や「延滞税」といったペナルティの対象に。
さらに、故意に申告しなかった場合は脱税です。
脱税は犯罪ですので、「5年以下の懲役もしくは最大500万円以下の罰金、または、その両方」が科せられます。
「知らなかった」では済まされません…。
副業と税金のルールについて、詳しく見ていきましょう。
所得が20万円以上なら確定申告が必要
副業での収益が20万円を超えると確定申告が必要です。
本業で会社勤めをしている場合、年末調整によって源泉徴収票が交付されますが、これは給与所得の課税が完了したにすぎません。
副業での所得は自分で申告する必要があり、これが確定申告というわけです。
対象期間 | 1月1日から12月31日 |
---|---|
確定申告期間 | 2月16日から3月15日 |
申告所得の税金納付期間 | 4月末ごろまで |
経費計上で節税可能
副業に関わる経費を漏れなく計上することで、所得を少なくして節税可能です。
以下のようなものは、経費計上できる可能性があります。
- 家賃
- 光熱費
- 通信費
- 自動車関連費
- 情報商材などの教材費
例えば売り上げが25万円だったとしても、経費計上額が7万円の場合は、
つまり確定申告が不要になるのです。
注)20万円以下でも住民税の申告が必要
副業所得が20万円以下の場合でも、住民税の申告は必要ですので注意しましょう!
所得が20万円以下の場合は確定申告不要というのは、あくまでも所得税に対してのこと。
市区町村に支払う住民税には、20万円ルールのような特例措置はありません。
住民税については、一律で所得の10%が税額と定められています。
副業の所得が20万円以下でも確定申告が必要なケース
副業の所得が20万円以下でも、以下のような場合は確定申告が必要となります。
- 医療費や住宅ローンなどの控除を受ける場合
- 税金の還付を受ける場合
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
医療費や住宅ローンなどの控除を受ける場合
医療費控除や住宅ローン控除などは年末調整の対象になりません。
その場合は、仮に副業所得が20万円以下であったとしても確定申告が必要となります。
会社員の場合は、住宅ローン控除は1年目のみ確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整の対象とすることが可能です。
税金の還付を受ける場合
副業収入が源泉徴収の対象であれば、確定申告によって税金が還付される場合があります。
所得税は年間の合計給与額が確定するまで、正確な金額がわかりません。
しかし源泉徴収は所得が確定する前に支払っているので、確定申告することで納付しすぎた税金が還付されます。
副業の所得にかかる税金の計算方法
副業の所得に対する実際の税金額は、以下3つのステップを踏むことで算出できます。
STEP2:課税所得額を計算する
STEP3:所得税額を計算する
STEP1:所得金額を計算する
まずは所得金額を計算します。
所得税は全部で10種類に分類されており、
- アフィリエイトの副業なら「雑所得」
- アルバイトやパートなら「給与所得」
- 不動産投資なら「不動産所得」
- 農業や小売業なら「事業所得」
に割り振られます。
それぞれの種類によって計算方法が違うので、上記4種類を例に所得金額の計算方法を解説します。
≪雑所得≫計算方法(例 アフィリエイト/せどり)
アフィリエイトやせどりなどの副業収益は「雑所得」に分類されます。
雑所得は収入から経費を差し引いた金額が所得金額になります。
しかし、青色申告による控除は適応外となるので注意しましょう。
≪給与所得≫計算方法(例 アルバイト/パート)
アルバイトやパートでの収入は「給与所得」に分類されます。
給与所得 = 1年間の給与金額 ー 給与所得控除
給与所得は以下の表のように、収入額に応じた控除額があらかじめ決まっています。
給与等の収入金額 (給与所得の源泉徴収票の支払金額) |
給与所得控除額 |
---|---|
1,625,000円以下 | 550,000円 |
1,625,000円 ~ 1,800,000円 | 収入金額 × 40% – 100,000円 |
1,800,001円 ~ 3,600,000円 | 収入金額 × 30% + 80,000円 |
3,600,001円 ~ 6,600,000 | 収入金額 × 20% + 440,000円 |
6,600,001円 ~ 8,500,000円 | 収入金額 × 10% + 1,100,000円 |
85,000,001円以上 | 1,950,000円(上限) |
≪不動産所得≫計算方法(例 不動産投資)
不動産投資によって、マンションやアパートの家賃収入を得ている場合は「不動産所得」となります。
不動産所得の場合は、青色申告特別控除が適用されます。
≪事業所得≫計算方法(例 農業/小売業)
農業や漁業、製造業や小売業など、事業をして得た所得は「事業所得」に分類されます。
事業所得は、不動産所得と同じく青色申告特別控除が適用可能です。
副業の場合でも、事業として成立していると税務署が認めた場合、事業所得扱いにすることができます。
STEP2:課税所得額を計算する
所得金額を計算したあとに、課税所得額を算出します。
課税所得とは、所得金額から所得控除を差し引いた金額に税率をかけて算出します。
STEP3:所得税額を計算する
課税所得金額を算出したら、税率を掛け合わせることで所得税額を算出できます。
2023年時点の税率は以下のとおりです。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000円 から 1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
会社にバレずに確定申告する方法
確定申告は、勤めている会社に副業がバレるきっかけになるケース多くあります。
バレる要因は、副業での所得も考慮した住民税が勤め先の会社に通知されるためです。
会社にバレずに確定申告する方法について紹介します。
住民税を「自分で納付」に〇
確定申告書類の「住民税に関する事項」で「自分で納付」に〇をつければ会社にはバレません。
「自分で納付」とすることで、副業所得分の住民税の通知が自宅に届くようになります。
届いた通知書で納付すれば会社にバレずに確定申告を終えることが可能です。
不用意に副業のことを人に話さない
副業が会社にバレる人の多くが、不用意に人に話したことによって発覚しています。
バレずに副業を継続するためにも、可能な限り副業をしていることがわかるような不用意な発言を控えましょう。
副業の確定申告をする際の注意点
副業の確定申告をする際の注意点について解説します。
注意点は以下の3点。
- 確定申告しないとペナルティを受ける
- 領収書は原則7年間は保管しておく
- 確定申告をすると会社にバレる場合がある
それぞれ解説していきます。
確定申告しないとペナルティを受ける
副業の所得が20万円以上あるにもかかわらず、確定申告をしなかった場合は「無申告加算税」や「延滞税」といったペナルティが課されるので注意が必要です。
例えば「無申告加算税」の場合の加算される税額は以下のとおり。
例)45万円の申告漏れで課される無申告加算税
450,000円 × 15% = 67,500円✓本来の納付額が50万円以上なら20%
例)80万円の申告漏れで課される無申告加算税
800,000円 × 20% = 160,000円
確定申告を怠っていた場合は、必然的に本来納付される期日に間に合わないので、延滞税も発生する可能性が高くなってしまいます。
領収書は原則7年間は保管しておく
確定申告で経費計上した場合、青色申告は7年間・白色申告は5年間の領収書を補完する義務があります。
保管方法は電子保存もOKなので、スキャナで取り込んだり、写真での保存でも問題ありません。
レシートなどの場合は時間の経過とともに文字が消えてしまうことがあるので、専用のクリアファイル等で熱や光の影響を受けないよう保存しておきましょう。
確定申告をすると会社にバレる場合がある
確定申告すると副業が会社にバレる可能性があります。
バレる要因は、副業の所得を加味した住民税が会社に通知されてしまうからです。
副業分の住民税を会社に通知されないようにするには、確定申告書類の「住民税に関する事項」で「自分で納付」に〇をつけましょう。
「自分で納付」とすることで、副業所得分の住民税の通知が自宅に届くようになります。
副業の税金について まとめ
副業の所得が20万円以上であれば確定申告が必要になります。
副業に関わる経費を漏れなく計上することで、支払う税金を抑えることが可能です。
そして、副業の種類によって税金の計算方法は変わります。
ご自身の副業の種類がどの所得に該当するのか、把握しておきましょう。
また、確定申告することで副業が会社にバレてしまうケースも少なくありません。
回避方法は住民税の通知を自宅に来るようにすること。
副業を継続する限り、確定申告は毎年必要となります。
税金のルールをしっかりと把握して、損なく稼ぐ副業を実現しましょう。